新型コロナ

社員への新型コロナワクチン接種の本格的スタートへの対応について

ワクチンの接種期間は、2021年2月17日から2022年2月末までの予定です。

現時点では、医療従事者等と高齢者への接種が進んでいますが、すでに64歳以下の接種も始まっている市町村もあります。当初の優先順位は次のように予定されていました。

  1. 医療従事者等
  2. 65歳以上の高齢者
  3. 高齢者以外で基礎疾患を有する方や高齢者施設等で従事されている方
  4. それ以外の方

大半の社員は上記4に該当すると思われますが、これに備えてすでに準備を整えている企業も相当数あると推測されます。

「こうしなければならない」という答えはありませんが、労働時間の取扱いや注意点を知ったうえで、自社にあった適切な対応を考えていく必要があります。

労働時間の取扱いについて

ワクチン接種に要する時間は、必ずしも労働時間として取り扱う必要はなく、その時間を無給とすることも可能です。

しかし、厚生労働省では、次のような取扱いが望ましいとしています。

特段のペナルティなく労働者の中抜け(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認め、その分終業時刻の繰り下げを行うことなど)を認めること。

出勤みなし(ワクチン接種の時間につき、労務から離れることを認めた上で、その時間は通常どおり労働したものとして取り扱うこと)を認めること。

なお、接種後に発熱などの副反応が出ることも考えられますので、その点も考慮する必要があります。対応としては、特別休暇を設けるといった選択肢もあります。

休暇制度について

厚生労働省では、職場における感染防止対策の観点からも、労働者の方が安心して新型コロナワクチンの接種を受けられるよう、ワクチンの接種や、接種後に労働者が体調を崩した場合などに活用できる休暇制度等を設けるなどの対応が望ましいとしています。

具体的には、次のような対応が例示されています。

ワクチン接種や、接種後に副反応が発生した場合の療養などの場面に活用できる休暇制度を新設すること。

既存の病気休暇や失効年休積立制度(失効した年次有給休暇を積み立てて、病気で療養する場合等に使えるようにする制度)等を、これらの場面にも活用できるよう見直すこと。
それでは、労働時間の取扱いを変更する場合や休暇制度を見直す場合、どのような点に注意すべきなのでしょうか?

まず、常時10人以上の社員がいる事業場では、就業規則の変更の手続が必要となり、変更した場合は、変更後の就業規則の社員への周知も必要となります。

厚生労働省も見解を示しており、「新型コロナワクチンの接種を希望する労働者にとって活用しやすいものになるよう、労働者の希望や意向も踏まえて、規定内容を検討することが重要」としています。

規定の仕方としては、休暇制度を新設する場合には、就業規則の本則ではなく、別規則として規定するのが現実的かもしれませんね。

ちなみに、就業規則の作成義務がない事業場でも、ルールを明確に定めて、社員に書面等で周知するといった対応が理想的でしょう。

そのほか、注意すべき点や検討すべき点には、次のようなものが考えられます。
就業規則等におけるルール作りの際に、これらに配慮した条項を盛り込むかなども検討してみましょう。

  • 接種は推奨すべきですが、接種は義務ではありません。
    接種をしない社員に不利益な取扱いをしてはならないことはもちろん、いじめや嫌がらせが起こらないように注意を促しておく必要があります。
  • 接種をより積極的に推奨すべきか?
    積極的に推奨する方法としては、接種のための交通費の負担や接種した社員への手当の支給などが考えられます。
  • 休暇をどの程度与えるか?家族の接種の付き添いや副反応がでたときの看病についてどう考えるか?
    休暇の時間や日数、休暇の事由(対象範囲)を取り決める際に検討してみましょう。

 

〔参考〕ワクチン接種に関する休暇や労働時間の取扱いに関する厚生労働省の見解
<新型コロナウイルスに関するQ&A>
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html

〔参考〕厚生労働省「職域接種に関するお知らせ」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_shokuiki.html

 

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